連載 386。 小説『山を仰ぐ』第 6 章、幕末から維新へー①ー3
 (前回、岩原の安楽寺に預けられた栄弥は、6年後、無事に僧侶になりました)

 智順和尚のお力が大きかったと思いますが、安楽寺に頻繁に出入りをしている、新吾さんの口添えも大きかったのではないでしょうか。ほら、岩原の石工さんですよ。
 新吾さんは、くりくりと元気いっぱいだった十四歳の栄弥さんを知っていましたし、その栄弥さんの類い稀な才能も理解していましたから、安楽寺で、和尚さんの助けになり、智恵さまを励まし続けたのではないでしょうか。
 新吾さまの他にも多くの方の祈りがありました。横山家の皆さま、青柳家や松沢家の皆さま、堀金弧峯院の者も皆、毎日必死に祈ったことでした。
 お祈りというのは、良く効きますね。呪詛は慈悲の流れに逆行しますから効きませんけれど。
 父上も兄上ももちろん母上も、栄弥さんの聡明さを分っていたので寺に預けたと思いますが、それは正解でしたね。入門は遅かったですが、これからも精進を重ね、知恵さまは立派なお坊様になられることでしょう。
 今だって、先輩で年上の智海さまを追い越して、弧峰院の住持に選ばれましたもの。わたくしは、期待し楽しみにしています。

 (次回、連載387に続く。
 新年あけましておめでとうございます。
 私は年末年始を、今年の3月になれば満で99歳なる父と過ごしています。昨日の大晦日は、甥っ子が妻と息子を連れて父に会いに来ました(写真をパチリ)。
 父には、日ごろはあまり会っていない孫が6人、ひ孫が11人いるので、名前がこんがらがっています。娘二人の名前も、しょっちゅう間違っていたものね。中学生が英語の単語を覚えるように、孫、ひ孫の名前の暗記にいそしんでいました)

< 2023年01>
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石上 扶佐子
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