今日は、朝6時40分〜夜8時の13時間強、地区の投票場にいました。
 ただ座っているだけのように見えるけど、投票立会人は忙しいのです。
 4種類の選挙の、4枚の投票用紙を、4つの別々の投票箱に間違い無く入れて貰うように、4つの箱の入口を凝視。
 投票する人が間違えそうな瞬間、あっ、と叫んで、その行為をストップして貰い、説明して正しく投票して頂きます。
 投票用紙がきちんと箱に落ちないで、投票口にまだ頭を出している場合は、箱の周りをトントンと叩いて下へ落とします。紙に触ったらいけないので。
 わが投票所の選挙は無事に終わりました。今、帰宅して選挙速報を聞いています。なので、今日の小説はお休みです。お休みなさい。

連載55.小説『山を仰ぐ』第2章の4ー2

 夜半に殿さまの客間に戻り、夜具に潜り込みむと、瞬時に眠りに落ちました。気がつくと、翌日の朝ご飯の時間。
 あら、大変。
 急いで身支度をし、居間に行くと、皆さまはすでにお並びでした。竹さまと赤ちゃんは、おられませんでしたが。真喜治さんは、膳の前でも機嫌が良く、この家に馴染みつつあるようです。
 「今日の棚経は、朝一番に来ていただくことになっているから、このあとすぐに仏間へ行ってね」
 かく様が教えてくれます。
 めったに口を開かない、当主の安吾さまが付け加えました。
 「そのあと、智恵さまが、正彦と糸さを、安楽寺に案内することなっている。安楽寺の盂蘭盆会の法要を見せたいと、智順和尚のお申し出だから、そのつもりでいなさい」
 私はチラリと正彦さんを見ます。
 「はい、わかりました。そうさせて頂きます」
 正彦さんが軽く頭をさげました。
 送り盆の棚経が終わると、智恵さまの後について、安楽寺へ向かいます。山口家の武家門を出ると、ほどなく安楽寺の大門でした。
 大門は立派な楼門で、正面に立つと、寺山の頂の三角が、門の枠にきれいに収まって見えます。中腹の安楽寺も、門枠の額縁の中央に、浮かぶように鎮座していました。
 門脇の大松の下には六地蔵が並び、「妙典千部塔」の高い石塔や、宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、どちらも立派です。
 大門をくぐり、いざ、三人が今、寺山を登ります。数えの二十五歳、十四歳、十二歳。私が一番若かったですね。
 行き交う赤トンボと、道の端に咲く吾亦紅(われもこう)が、秋の到来を告げていました。

 (次回、連載56に続く。
 写真は、今日の第3回臨時市議会のために、本会議場へ向かう臥雲さん)

市長記者会見の日。
 ①コロナ関連では、3日連続で、直近1週間の新規感染者ゼロです(105日ぶり)。ワクチンの促進と、市民の基礎的感染予防措置の徹底によるものと考えています。
 ②ワクチン接種の予約率は85%を超え、若い世代も70%を超えました。
 2回終了者は市民全体で72%になり、11月20日を目処に、希望者全員の2回接種が終わります。
 ③8月の大雨で被害にあった上高地線、田川橋梁の復旧工事が、11月より着工します。
 大正9年に出来た(101年経過)の橋は、今回、歪んだ西側橋脚と橋桁(はしげた)を撤去し、来年の5月には工事を終え、6月よりの全面運行を見込んでいます。
 東側の橋脚は当面の被害はないですが、来年の秋・冬に補強工事を行い再来年の3月に全ての工事が終わる予定。
 奈良井川の橋梁の補強工事も検討中です。
 (記者の質問に答えて)
 ④ワクチン接種は、輸入の見込みがついてからはスピード感を持って進み、80%を上回る接種が出来、予約も85%に達し、感染も抑えられています。
 ワクチン接種は、基本は個人の判断で行うものですし、若い人の接種も70%を超えるので、トータルとしては充分ではないか、と思っています。社会が集団免疫を獲得出来る水準ではないか、と。
 ⑤上高地線の工事はアルピコと国・県・市などで分担する事になりますが、詳細は検討中です。 
 ⑥国道19線の拡幅は、まず、白板〜渚1丁目の4車線化を進めています。その先は、交差点改良を兼ねる改装を段階的に進めていきます。
 ⑦安曇野市の太田新市長とは、松本市と安曇野市とが一つのエリアとして認識される、山岳リゾート観光分野、文化芸術分野、スポーツアウトドア分野などで、連携協力し、高校教育分野でも議論を深め、協力関係を進めたいです。
 ⑧松本市ではコロナ療養施設の2つ目が出来、安心装置として機能しています。仮に感染が拡大しても、受入施設に余裕があれば、経済の縮小を食い止める事が出来るのではないかと考えています。


連載54.小説『山を仰ぐ』第2章の4-1

 その夜の宴は、それはそれは立派なものでした。仏間から続く大きな居間も、庭に面しています。
 当主の安吾さま都伊さまご夫妻の、一番近い席に正彦さん、かく様。真喜治さんの席も用意され、膳には子供向きの食事が並んでいます。私はその隣。真喜坊のお世話係なので。
 向かいの列には、芳人さまご夫妻。奥様の竹さまは、無理を押しての参加です。待ちわびた日だから、頑張っているのでしょう。お二人並んで、嬉しそうに真喜坊を見ています。
 傍らで、乳母の方が、生後半年の女の赤ちゃんを抱いて、座っておられました。
 盆のご馳走ですから、イワナの塩焼き、干し鱈の煮付け、塩丸イカのキュウリ揉み、山菜の和え物、キノコと野菜の煮物、さらに、うちらの方ではみられないエゴの酢味噌和えが並び、赤飯もありました。縁結びの祝宴でもありましたので。
 大人の方々はお酒を召され、お腹いっぱい食べて宴もほぐれた頃、歩き始めの真喜治さんが、宴席の間を行ったり来たりしています。最後は、芳人さまと竹さまの間に収まって、赤ちゃんを眺めておりました。
 縁側の障子戸も板戸も開け放たれ、流れて来る夜気は、秋の気配。庭では鈴虫が鳴いています。見上げれば、赤松の梢の上から、黄金色の十七夜の月が、昇り始めておりました。
 
 (次回、連載55に続く。
 写真は、昨夜の信毎メディアガーデンでの若者の集い「選挙って、おいしいの?」に登壇した孫高2女子。
 まだ選挙権も無い最年少だけれど、発言は的確で星のような輝きです。
 「選挙に行こう、と呼びかける人は、社会にたいして愛がある、と思いました。私も、社会に愛を持てる人になりたい」だって❣)



連載53、小説『山を仰ぐ』第2章の3ー12

 真喜治さんが目を覚ましました。正彦さんが手を振ると、真喜坊は嬉しそうに走り寄っていきます。
 生まれてからずっと、そばにいた兄さんですもの。
 正彦さんの膝に乗った真喜坊は、振り向いて智恵さまを見、しばらくそのお顔をじっと見つめていました。
 「真喜坊、こっちへおいで」
 智恵さまが両手を広げて、真喜坊の前へ差し出します。
 さらにまじまじと、智恵さまのお顔を覗き込んだ挙句、真喜坊は智恵さまに近づき、捕らえられ、その膝の上に滑り込んだのでございます。

 この家の女衆と、久しぶりのおしゃべりを楽しんでいらしたかく様が、楽しい気分を残したまま、客間に顔を出しました。
 「正彦さ、お風呂の用意ができたってせ。先に頂いてくれましょ」
 かく様は、智恵さまの膝に抱かれている真喜治さんを、チラリと見て、行っておしまいでした。
 真喜坊も、なんともなく、智恵さまの腕の中です。智恵さまと同じ方を向き、一緒に庭を見、山を見、空を見ています。
 「では、失礼して」
 正彦さんが湯殿へ行った後も、智恵さまと真喜坊はそのままでした。
 風鈴の鳴る縁側で、私も庭と山と空を見ていました。
 静かな夕暮れでした。
 その不思議な時間を、私は忘れることができません。
 短い時間だったはずなのに、永遠の時、と名付けたくなるひと時でした。
 「では、私も失礼します」
 智恵さまはそう言い、真喜坊をそっと私のほうへ押しやり、静かにお帰りになられました。

 (今日で、第2章の3が終わり、次回からは第2章の4です。連載は8月19日から始まっていて、下記ブログのカテゴリー「小説『山を仰ぐ』」で最初から連続で見れます)http://fusakoblog.naganoblog.jp/
 (次回、連載53に続く。写真は友人の昨日の投稿から。北アルプスは雪です)


『新しい出会いのある街・松本』

 昨日の日曜日の昼、歩行者天国(ホコ天)の中町通り、クラシック館前で「青空ゼロカーボン井戸端会議」というのがありました。
 ○臥雲さんは、
 ①松本駅と城とあがたの森のトライアングル(三角地帯)を車なしで楽しめる街にしたいので、タウンスニーカーや自転車やホコ天を整備したい。
 ②6年後には城の堀が復活して一変し、素晴らしい景観になる予定です。
 ③駅からあがたの森までを、緑溢れる「松本の表参道」にしたいです。しかし、カラスやムクドリの糞対策や、枯葉対策も必要で、市民の皆さまとの協議も必要になります。
 ④ゼロカーボンは、日常の一つ一つの積み重ねで達成することだけれど、楽しさ・便利さを損なわないで進めたい。
 ○お城の前で喫茶店を開いている長谷川さんは、20年前から、自転車の無料貸し出しを、町ではじめて行って来た方で   ①「車で通過するのではなく、歩行や自転車移動で街の賑わいを作りたかった」と。
 ②「自転車産業も作り、松本オリジナルの「緑の自転車」の販売をしたい」と。
 ○若い女性の新井(荒井?)ふきさんは
 ①「ヨーロッパでは、一人一人が環境問題を自分事と考えているのに驚いた」と言い、
 「省エネのために、5キロ以内は歩くことにしたら、出会いも増え、歩きながら色々なアイデアや気付きが得られるようになった」と。
 ②「ベルギーのベントでは、城の周りは車がいません。江戸でも車ゼロだったので、その可能性はあるはず。リスクを恐れず変革を。(この時、臥雲さんが「あっ、その言葉は、私が市役所で毎日言っています」と)
 ○最後に臥雲さんが(ふきさんの発言を受け)
「松本に来れば、東京よりもずっと人と出会える、というのがステキですね。『松本は、新しい出会いのある街』として、楽しくエコを進めて行きましょう」とまとめていました。


臥雲さんは、政務として昨日は、青木崇さんの応援演説をしていました。
 今日は、松本駅前で、小林あやさんの応援演説です。
 青木崇さんも、小林あやさんも、数日前まで松本市議でしたが、辞職して、次の日曜日の県議の補欠選挙に立候補しました。
 臥雲さんは、松本市のために、若手の市議が、県議になって県を動かすを事を期待しています。このお二人とは、議会を通じ、一年半、一緒に真剣に、松本市ことを考えて来たので、力も人柄も信頼し期待しているのです。
 小林あやさんは、論理的にきちんと考え、力強いメッセージを出せる方で、ジェンダー平等社会の推進のためにも、波田・上高地の(国際的な)発展のためにも、県議としてなくてはならない人、と言っていました。

連載52。小説『山を仰ぐ』第2章の3-11

 腑に落ちていないので、正彦さんは続けます。
 「二十年前に亡くなられた平田先生は、沢山の著書を残していて、その教えを多く人が学びました。今の世を変えなければ、という大きなうねりが出来、草莽(そうもう)の志士は、世ならし、世直しを叫んでいます。
 そして今は、あちらこちらで斬り合いがあり、自分の正義のために、反対する者を殺してします。
 人が飢えて死ぬのも嫌ですが、私は戦さが嫌です。怖いです。
 和歌を愛でた、万葉の人の心音では生きられないとしても、自ら戦さには進みたくないのです」
 なるほど、、、。
 「世直しのために、日の本のあちらこちらで、盛大に気勢をあげている、草莽の志士たちを尻目に、こんなこと、言いたくはないのですが、、、」
 新米の平田門人は、こんなに言いにくいことを、智恵さまに言ったのでした。
 「そうですか、、、」
 智恵さまは今度も静かにそう言い、正彦さんの目を真直ぐに見ました。
 「それでいいではありませんか。私も同じです。だから寺で励んでいるのですよ」
 気が合うって、こういうことかしら。
 まだ、過去に一度しか会っていないのに、誰にも言えないようなことを、すらすらと言ってしまう。神か仏の力が働いているのです。きっと。

 (次回、連載52に続く)

テレビを見て下さった方に、まず謝らなければ、、、、。
 亜里が出でいたのは少ない時間でした。どんな番組かも知らないでお知らせして、すみませんでした。
 番組はまだやってますが、レンコン料理の画面になったので、多分もう、ありは映らないと思います。
 一部を動画で撮ったので、こんな感じで大きくなりました、のお知らせに投稿します。動画は2分です。お騒がせしました。

市長記者会見の日。
 ①今日のコロナ感染者はゼロ、直近1週間は3人です。
 ②ワクチン2回了の人は、全体の68%、予約率は85%です。
 ③1クール(2回接種)は最終日の10月31日まで、予約が埋まりました。
 これから接種を希望する人は、来月以降も継続するので、市民病院(11月9日〜)、松本協立病院(11月11日〜)接種できます。 
 12歳になる人を優先し11月1日から予約受付、それ以外の人は11月4日から受付です。
 キャンセル待ちを希望の人は、毎週木曜日に受付ます。
 ④県の大規模接種は明日、明後日の土・日に、合同庁舎で行われます。
 土曜日分は昨日で予約が終了ですが、400人分の余りがあります。明日23 日、会場で受付、明日接種できます。
 日曜日分は今日まで予約可能です。
⑤松本市文化芸術表彰式典の受賞者が決まりました。
 今年から受賞基準を変更し、松本市在住者・松本を拠点とした活動者以外に、松本出身者も受賞できるようになりました。
 大賞は該当者なし、功労賞に、渡辺邦子さん、中村雅夫さん、奨励賞にアオイヤマダさんです。ヤマダさんは、オリンピックの閉会式でパフォーマンスをされました。
 受賞式は11月3日、市民芸術館主ホールで。明日から、観覧者を募集します。

< 2021年10>
S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
過去記事
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 1人
プロフィール
石上 扶佐子
石上 扶佐子