「基本的な教養として、お勧めです。面白いし」と言われたのは15,6年も前のこと。
 娘はその時「たぶん、日本語訳も出ていると思う」と付け加えたのではなかったかしら。
 だからずっと気にはなっていましたが、ずっと無視してきました。忙しかったし。
 そしたら、その本(日本語訳)が信大の中央図書館入ってすぐの教員推薦図書のコーナーに置いてありました。発見したのは今年の10月の初め。でも、無視。慌ただしかったし。
 11月、大学の脳ゼミで、同じ本が話題になり、先生は言いました。「是非、読んでみるように」。
 それで、とうとう観念し、東京行きに携帯して読了できたのです。
 本の名は「アルジャーノンに花束を」。1959年発表のダニエル・キイスという人のサイエンス・フィクションです。
 初めは読みにくいのですが、だんだん面白くなってきます。今は常識のようになっている心理学上のあれこれを、こんな早い時期にしっかりと書き込んでいて驚きです。学問に助けられて、人間を深く見る視点を獲得している、ということなんでしょう。
 主人公にもっと時間があれば、高い知能と交流と幸福は同居できたでしょうね。
 最後の2行がなんとも、泣けます。
薦めてもらえる、ということの有難さを、しみじみ感じる秋の夜でした。

< 2014年11>
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石上 扶佐子
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