高等教育を英語で受けた娘は、帰国し日本で仕事をするようになって、日本語で書く学術的な文章の添削を、よく私に依頼してくれました。
 ファックスから出て来た沢山の紙を前に、赤鉛筆を持ち、私はわくわくしたものです。
 今回、ラヒルが「留学生日本語スピーチコンテスト」に応募する原稿を、私のポストに入れてくれた時も、同様のわくわくでした。
 ラヒルは、スリランカの日本語コンテストで第一位、南アジア日本語コンテストでも第一位の優秀な学生なので、私も力が入ります。
 原稿を幾度も読み直し、疑問点を数十カ所マークしました、
 数日後、一緒に晩御飯を食べながら、ラヒルの原稿に対するわが所見を述べること数時間。
 話は、日本語の微妙なニュアンスや、文化や意識やコモンセンスの違いに及んだので、外国人がどこまで理解できたか、不安でした。
 が、ラヒルを見込んで私も妥協せず、かなり突っ込んで話をしたので、
 自分でも近年になく、日本語の表現について考えた、という深い喜びがありました。
 それから数週間後、応募した原稿を見せてもらう機会があり、読んでみてビックリです。
 ラヒルは、私がクレームを出した箇所のほとんどを、しっかり理解していました。 
 わっ、すごい!
 再び晩御飯を食べながら、しかし、私はその完成原稿に、またもクレーム(少々ですが)。クレームばあさんでほんとにすみません。
 そして数日後、「原稿が第一次選考を通過した」という知らせがあり、
 先週の土曜日、数十名の応募の中から選抜された16名のスピーチを聞きに、Mウイングへ行きました。
 スリランカの正装の、白いスーツをまとったラヒルのスピーチは、柔らかな基調にもかかわらず、心が震える箇所が幾つかあり、感動!。
 応募後の私のクレームも、しっかり理解してくれて、本番で訂正されていました。
 国連の事務総長の発言のようなフレーズも追加されています。
 私は少し日本語をアドバイスしただけで、スピーチのマインドは、まぎれもなくラヒル固有の輝きでした。
 そして、結果は、ラヒルが第一位。
とても、嬉しかったです。

< 2016年07>
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石上 扶佐子
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