連載608.小説『山を仰ぐ』第8章発明家ー②開産社と博覧会ー42

連載608。小説『山を仰ぐ』第8章・発明家ーま②開産社と博覧会ー42
 (辰致と正彦は、連綿社の行く末を心配する役員の声を受けて、「連綿社条約」を作りました。今回はその後半)

 第四条。 おいおい事業が盛大になれば、機械の数を増やすのはもちろんだが、その増やす機械の経費出費をしない者は、発明人といえども、利益は無しとする。
 第五条。 太糸機械五個を備え付けたら、まず、この機械を稼働して、利益を確保すること。発明人社員それぞれが、受け持ちを定め違う仕事をし、仕事に値する月給を定めて、職務に勉励すべし。その経費も利益の中から出すとする。
 ただし、太糸機械五個が整備できたら、おいおい、細糸機械を製造できる、とする。
 第六条。 分社の営業依頼があった時は、製造所の建築や水車水輪掛け等の費用は、全て依頼人持ちとし、本社においては、機械の定価の半額を出し、残りの半額は分社にて出費し、利益は折半すること。
 但し、機械は一台につき、七十五円のこと。
 分社の営業依頼があった時は、協議して不都合のないようにするのはもちろんのこと、分社側が勝手な行いをしないような規則を作り、捺印の上、本社で保管すること。
 第七条。 臨時旅行の事務がある時は、衆議を以ってその人を選挙し、相当の日当を渡すこと。
 第八条。 社員がもし、機械の成否を見て、途中に脱社するならば、それまで、多少出費した金額は受け取れない。

 (次回、連載609に続く。
 昨日と今日は、一泊で友人宅の温泉風呂に入りに関西へ行ってきました。ご夫妻が昨年ゲットしたその家には、夢のように美しい庭がありました)

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